こんにちは!株式会社マスヤプラスの松本です。
基本情報技術者試験対策の王道、それは、午前は過去問の反復、午後はアルゴリズムやプログラミング言語問題の習得ですが、短時間でそれらを完璧にこなすことは容易ではありません。多大な時間をかければ当然合格率は上がりますが、「資格は取りたいけど思うように勉強時間が取れない…」、「IT企業で取得を推奨されているけど長期間の勉強はなかなか難しい…」といった方も少なくないと思います。そこで、多忙で勉強に充分な時間が取れない方に向けて、最低48時間で合格するレベルまで持って行く基本情報技術者試験の勉強法を解説します。
午前と午後の時間配分
CBT方式のスケジュールは受験者に有利
基本情報技術者試験は春期・秋期の年2回実施されます。平成から令和にかけて、試験の実施概要と受験方式が大きく変更され、特に受験方式が筆記試験からPCを使ったCBT方式へと移行されたことに伴い、試験実施日時も特定の日時から指定された期間(約2か月弱)の日時を選択する形となりました。しかも、午前・午後それぞれ別の日時を指定できるため、自己のスケジュールに合わせて受験日程を組むことが可能です。CBT方式の是非はさておき、スケジュール調整に限って言えば、受験者には非常に有利な環境となっています。
午前:午後の勉強比率は概ね5:3
48時間は日数で言えば丸2日ですが、1日2時間の勉強で1か月弱、1日1時間半であれば1か月強となりますので、最悪、試験実施期間に入ってから勉強しても間に合う計算になります。気になる午前と午後の勉強時間の配分ですが、午前の勉強にウェイトを置きたいので午前はおおよそ30時間、残り18時間程度を午後の勉強にあてることを想定しております。その理由は、基本情報技術者試験で必要となる知識はあくまで午前試験の知識がベースとなるので、そのベースがないと結局午後問題を解答することも難しくなり、合格に必要な最低限の知識を習得することができないからです。
午前試験の勉強法
テキスト学習に終始
午前試験の勉強法のポイントは2つあります。1つめは、過去問題には手を付けずテキストの学習のみに終始することです。時間がある場合の定石は、テキストの内容を習得した後に過去問題も数多く解くことですが、時間が限られる中での優先順位は、過去問題より用語の知識を覚えることになります。その理由は、過去問題を優先してしまうと午後の試験に必要な知識が断片的となってしまい、午後の回答率にも少なからず影響を与えてしまうためです。午前試験では、過去問題から出題される割合はおおよそ4割~5割です。割合的にはかなり多い印象ですが、逆に言えば、過去に出題されていない新しい問題が5割~6割程度出題されるため、過去問題を完璧に記憶しても合格レベルの6割には届きません。30時間という短い期間ではテキストを2周する程度が限界かと思われます。新しい問題にも対応できるよう、そこでテキストの内容をできる限り記憶することが短い期間で合格するためのキーポイントとなります。
苦手な分野の一部を飛ばして学習
もう1つのポイントは、苦手意識が強いゆえに頭に入ってこない分野は飛ばしてもよいということです。試験要綱にもあるように、基本情報技術者試験は非常に広範囲に出題されるため、たいていの方はどこかしらの分類で苦手な分野が出てきます。合格はあくまで60点以上なので、一部の分野をカットしても合格レベルに到達させることは十分可能です。苦手な分野ではその苦手意識が記憶の効率化を大きく阻害します。その時間的資源を得意分野、苦手でない分野に振り分けることでより記憶を安定的なものにし、合格率を上げることに寄与します。
ただし、『セキュリティ』と『ネットワーク』の分野は、午後試験に何らかの形でほぼ確実に出題されるので、苦手でも我慢して勉強する必要があります。
午後試験の勉強法
過去問題をひたすら解く
午後試験の勉強法でもポイントは2つあります。1つ目は、午前とは逆でテキストは買わずに過去問題だけをひたすら解くことです。午後問題のテキストは過去問題の解説に終始しているので、IPAのサイトから取得した過去問題を解き解答を見て自分の中で正解のロジック・理由を納得できればテキストと同様の効果は得られます。18時間ほどであれば、採点や解答のチェックなども含め過去3回~4回分はできるはずなので、そのくらいやれば十分ではないにしろどうにか合格レベルまでは持っていけます。なお、アルゴリズムが苦手で鬼門の方は多いと思いますので、そういった方は他の問題、特に得点の配分が低い問2~問5の選択問題を削ってアルゴリズムに振り分ける方法もアリかと思います。
選択問題を2分野に絞る
2つめのポイントは、問2~問5の選択問題は全てに手を付けず2分野に絞るということです。必須問題である情報セキュリティとアルゴリズム、およびプログラム言語の問題は配点も高いので優先的に学習する必要があります。一方、選択問題は配点がそれらに比べて低いので、ピンポイントに絞ってもさほど大きな影響はありません。また、2つの分野に絞ることは前述した午前試験の勉強で苦手な分野を飛ばすというところにも関わってきておりますので、午前で飛ばした分野があれば、午後もその分野が含まれる選択問題を避けることをおすすめします。
まとめ
以上、48時間で基本情報技術者試験に合格するための勉強法をお伝えしました。当然48時間という短い時間ではかなりの制約があり合格できる十分な勉強はできません。よくネットやYouTubeなどで「数時間の勉強で合格した!」的な内容の記事を見かけますが、それは単なる嘘か自頭が極端に良い人なので、恐らくは48時間が最低ラインとなります。ちなみにこの「48時間」は分かりやすい数字にしているだけですので、当然のことながら、できる限りそれ以上の時間を確保するよう努めることも必要となるでしょう。
このページの内容はYouTubeの動画としても公開しておりますので、そちらもぜひご覧ください。
たった48時間の勉強で基本情報技術者試験に合格する勉強法【たった5分で解説】